高温多湿な環境下において、体内の水分量や塩分量(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調節が上手く機能しなくなることで発症する障害の総称です。
熱中症 三大要因
熱中症を引き起こす条件は 環境・行動・身体の調子 によるものが考えられます。これらの様々な要因が身体の調節機能のバランスを崩し、熱中症になります。 ● 環境 気温や湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、閉め切った屋内など ● 行動 激しい労働や運動、長時間の屋外作業など ● 身体の調子 持病がある、低栄養状態、二日酔いや寝不足といった体調不良など 「環境」「行動」「身体」の要因が重なったときに熱中症が起こりやすくなると考えられています。 注意が必要な時期は、梅雨の晴れ間や梅雨が明けてすぐ、しばらく涼しい日が続いた後急激に暑くなった日などです。 注意が必要な場所は、運動場、公園、海やプールなどの強い日差しが当たる屋外や、駐車場に止めた車の中、体育館、気密性の高いビルやマンションの最上階など。浴室やトイレ、寝室など、家庭内の風通しの悪い室内でも起こりやすくなります。
高齢者や乳幼児、持病のある人は要注意
高齢者や乳幼児は、体温調節機能の衰えや未熟さによって体内に熱がこもりやすい(体温が上がりやすい)上、暑さを自覚しにくいこともあるため、リスクが高いといえます。子どもは大人よりも身長が低く地面に近い分、アスファルトの照り返しなどによる熱の影響を受けやすくなることも要因のひとつです。 また、心臓病、糖尿病、高血圧、腎臓病、精神神経疾患、皮膚疾患などの持病も、体温調節機能の乱れの原因となることがあり、ハイリスク要因に。病気の治療のために薬を服用している場合も、薬の種類によって発汗の抑制や利尿作用があるものがあり、熱中症の原因になることがあります。
熱中症の症状と重症度
【Ⅰ度 軽度】 ・立ちくらみ、めまい、失神 ・こむら返り、筋肉痛 ・大量の発汗 【Ⅱ度 中度】 ・頭痛 ・吐き気、嘔吐 ・倦怠感、虚脱感 【Ⅲ度 重度】 ・意識障害 ・けいれん ・運動障害 ・高体温
最初は体温が上がらないことも
熱中症になっても、軽症のうちは体温が高くならないこともあります。ただし最初は軽症でも、放置するとあっという間に重症化することもあるため油断は禁物です。「熱が高くないから大丈夫」と思い込まず、他の身体の症状をよく観察しましょう。 「おかしい」と感じることがあったらまずは体温を測ることをおすすめします。ふだんより1度以上高い場合は要注意。涼しいところで横になるなど身体を休め、熱が下がるまで様子をみましょう。