寒くなりお風呂が楽しい季節になりましたね。
しかし、“隠れ脱水”に注意しないと、ヒートショックや浴室熱中症といった入浴事故につながるリスクがあります。
毎年1万9000人も!ヒートショックや浴室熱中症を避けるには?
寒い季節。家事や仕事で疲れた夜、熱いお風呂に飛び込んで長風呂するのが楽しみという人も多いのでは無いでしょうか?
入浴すると、新陳代謝が活性化して疲れが取れる、神経の過敏性を抑えて慢性の痛みを和らぐ、蒸気や香りで免疫力の低下を防いだり自律神経を整えるなど、健康によい効果が数多くあります。
「毎日湯船で入浴している人は、3年後に要介護になるリスクが29%も低いという研究結果もでています。
入浴によって血の巡りがよくなったり、リラックスしてうつ状態になることを防ぐなど、入浴の影響が認知機能の低下を防いだり、要介護の確率を下げる効果もあります。
隠れ脱水でヒートショックに!
予防には1杯の麦茶 一方で、間違った入浴法によって病気を引き起こすリスクも。
怖いのが“隠れ脱水”です。
脱水だという自覚のないままお風呂につかると、血液がドロドロになってしまいます。
入浴で上昇した体内の熱を放出できないため、ヒートショックや浴室熱中症を引き起こす原因となるのでとても危険です。
毎年、ヒートショックと浴室熱中症によって交通事故死の約3倍にあたる1万9000人の方が亡くなっています。
高血圧の高齢者だけではなく、持病のない20代の死亡例もあるので、どんなに若くて健康でも注意することが大切です。
予防するには、入浴前の水分補給です。
麦茶で水分とミネラルを補給するようにしましょう。
血流改善効果や血圧低下作用などの効果があります。
熱々のお湯とぬるいお湯、危険なのはどっち!?間違いだらけの入浴法
●42℃を超えるお湯はヒートショックの危険が!
42℃を超えるお湯に浸かると交感神経の働きが活発になり、興奮状態となることで血圧が上昇。
血液の粘度が上がるため、血栓ができやすくなり、ヒートショックの危険性も。
40℃程度のぬるめの温度は副交感神経が刺激され、血圧が下がり、心身ともにリラックスさせる効果があるのでおすすめです。
●長風呂は浴室熱中症の原因に!
40℃の温度で10分を超える入浴は体温が上がりすぎ、冬でも浴室熱中症になる危険があります。
湯船につかる時間は10分以内がベストです。
●入浴前と入浴後の水分補給を習慣に!
隠れ脱水を防ぐために、入浴前後にコップ1杯の水分をとる習慣を。
水や牛乳よりも、ミネラルを補給できる麦茶がおすすめです。
●飲食後すぐの入浴はNG!
食後1時間は消化不良の危険があるため、入浴を控えたほうがよいです
飲酒後の入浴にもご注意。
酔っていると脳の働きが低下するため、溺水や転倒のリスクが大きくなるのでやめましょう。
またアルコールは脱水も招くため、血栓形成などの危険にもつながります。
さらに血圧を下げすぎてしまうため、ヒートショックを起こす危険性も。
飲酒量によっても異なりますが、たとえばビール中ビン1本程度で入浴まで2~3時間あけるのが目安となります。
●ダイエットのためにお風呂で汗をかくのは意味がない!?
熱いお風呂につかって汗を流すと、ダイエット効果があるように思うかもしれません。
しかし、運動のときは自分の脂肪を燃焼させて体を動かし、結果として体温が上がり汗をかくのに対し、お風呂の場合、脂肪を燃焼させているわけではなく、お湯から熱を受け取って体温が上がり、汗をかきます。
運動とは汗の出る仕組みが違うので、お風呂で汗をかいてもダイエット効果はあまり期待できません。
痩せたいのならば筋トレウォーキングを頑張りましょう。
●半身浴よりも全身浴。水圧をかけてむくみを解消!
全身浴の方が体が温まり、血流がよくなるので、冷えの改善に効果的です。
また、お湯の量が多く深ければ、その分水圧が強くなります。
全身浴は下半身により大きい水圧がかかるため、足のむくみの解消などにも大きな効果が。
肩こりなどの痛みにも、半身浴より全身浴のほうが効果的という研究結果もあります。
※心臓や肺に疾患がある方には、水圧がかからず体温が上がりすぎない半身浴がおすすめです。
●実は一番風呂は肌によくない!?
人間の体には細胞や血液といった体液中に、たんぱく質やさまざまなミネラル分などの成分が含まれています。
日本の水道水はミネラルの少ない「軟水」のため、とくに一番風呂はミネラル分が少なく薄くなっています。
体の内側と、お風呂のお湯のミネラルの濃度の違いや、水道水に含まれる塩素が、皮膚にぴりぴり感や違和感といった刺激をもたらすといわれています。
解決策として、入浴剤やレモン果汁をお風呂に入れるといいでしょう。
正しい入浴法で、心身ともにほっと和らぎ、健康になりましょう!