卵子だけではなく精子も老化します。

精子はどのようにして作られるのか?

卵子はお母さんのお腹の中にいる胎児期に作られ、その後は増えることはなく減り続けます。

その為、卵子の年齢は実年齢+1歳とも言われ、今では卵子が老化することは広く知られています。

一方の精子はどうなのでしょうか? 精子は精巣の中にある、精細管という場所で作られます。

精子は卵子と違い、3000万個の精子が毎日精細管で作られ続け、これらは思春期に始まり、老年期まで続きます。

作られた精子は、精管という場所に送られ射精されるまでの間貯蔵されます。

射精されるまでの間、精子は休止状態となり、何週間も生きていますが、次第に老化して死んでいきます。

その為、禁欲期間を定めるより、定期的に射精して精子を入れ替えてあげるほうがよいと言われています。

死んだ精子は、最終的には上皮細胞に貪食され、精祖細胞から精巣精子が完成するまでには約74日かかると言われています。

このように、常に精子は作られ続けるため、精子に老化は関係ないと多くの人は今まで思ってきました。

「精子も老化する」

最近の研究で”実は精子も加齢によって変化する”ということがわかってきました。

まだまだ、精子の加齢に関しては研究途中ですが、加齢による精子の変化についてはいくつか報告がされています。

卵子の老化により、トリソミーなどの染色体異常が増えることはよく知られておりますが、精子の老化ではその様なことは起こらないといわれております。

しかしながら、産まれてくる子供の精神疾患や小児がんが増えるという報告があり、これは精子のDNA損傷が原因の一つではないかと考えられています。

精子のDNA損傷の原因としては喫煙や、酸化ストレス、精索静脈瘤などがあげられますが、加齢もその要因の一つだとも言われています。

男性の加齢とともにDNAが損傷した精子の割合が増え、その結果自然妊娠や、人工授精での妊娠率が下がるのではないかと考えられています。

自然妊娠に関しては年齢に幅がありますが、男性も35歳から45歳を境に、子供を望んでから妊娠するまでに時間がかかり、妊娠率も低くなることが報告されていて、男性が45歳以上になると、妊娠率が低く流産率が高いことを報告した論文もあります。

男性の中には、自分は運動もしているし、体力もあるから大丈夫と思っている人もいます。

日常の運動習慣は大切ですが、それでもやはり年齢とともに精子は老化してしまいます。

そして、見た目の若さや体力と精子の状態は残念ながら一致しません。

年齢相応に精子も老化すると考えられています。

また、射精出来ている、問題なく性交渉できているから大丈夫だと考えている人もいます。

しかし射精出来ていても、その中に精子がいるかどうか、動いているか、きちんと前進しているか、正常な形態の精子がいるかどうかは別問題なのです。

これらに関しては検査してみないとわかりません。

女性は年齢があがるにつれて、自分自身の妊孕力に不安を覚える人も少なくありません。

しかし、精子の老化はまだまだ知られていないため、男性のほうが悠長に構えてしまい、女性が不安やイライラを積もらせているというのはよく聞く話です。

データをみると、男性の妊孕力の衰えの年齢開始幅は35歳から45歳と広いですが、男性も35歳を過ぎれば、妊娠しにくくなるということを知識として持っておく必要があります。

女性の卵子の老化ばかりが注目されていますが、男性の精子も老化することを知り、妊活や不妊治療の計画を立てることが大切になってきます。

年齢以外に精子に悪影響を及ぼすもの

精子に影響を及ぼす可能性のあるものは、年齢ばかりではありません。

男性不妊の原因は大きく分けると、造精機能障害、精路通過障害、性機能障害に分けられます。

2015年度の厚生労働省の全国調査によると、その中でも造精機能障害が82.4%を占めていました。

その中の36.6%は精索静脈瘤によるものとされており、51.0%以上が原因不明でした。

2015年度厚生労働省子ども・子育て支援推進調査研究事業「我が国における男性不妊に対する検査・治療に関する調査研究」より 原因不明の中には、肥満やメタボリックシンドローム、薬剤性が原因ではないかと考えられるものも含まれています。

薬に関しては、現在服用している薬だけではなく、過去に服用していた薬に関しても気になるものがあれば一度医師に相談されることをお勧めします。

また、最近は精液所見とBMIとの関係も報告されています。

適切なBMIは18.5~25と言われており、やせすぎも太りすぎも健康によくありませんが、特に男性の場合は肥満傾向で精液所見に問題が多いようです。

特に2人目不妊のご相談では、夫が1人目妊娠時より5㎏、10㎏体重が増加していたというお話を伺うこともあります。

また、それ以外にも脂質異常(高コレステロール血症 中性脂肪の値が高い)や高血糖、高血圧を健康診断で指摘されているという場合も。

食事改善をしダイエットをすれば改善される場合もあります。

野菜不足や脂質過多など偏った食事をしていないか、夜遅い時間にたくさんの量を食べていないか、お菓子やジュースなどの間食は多くないかなど、まずは自分の食事を見直してみてみましょう。

生活習慣と男性の妊孕性に関係するもの 年齢関係なく精液所見に影響を及ぼす生活習慣があります。

1.喫煙習慣

酸化ストレスの上昇やDNAの損傷などが言われています。

タバコは、妊活や不妊治療だけではなくそれ以外の健康にも害を及ぼすことが知られています。

最初からすべてやめるのは難しくても、少しずつ本数を減らしていき、禁煙しましょう。

2.アルコールの摂取

たまに飲酒する程度は特に問題ないと言われていますが、過度な飲酒は精液所見の悪化につながります。

適度な1日のアルコール量は、ビールなら中瓶1本程度(500㏄)です。 あまり飲みすぎないように、適量と休肝日をつくりながら、上手にアルコールとは付き合っていきましょう。

3.肥満

先程も記載しましたが、肥満は精液所見に影響してきます。

BMI25以上の場合は、食事の見直しと適度な運動を心がけましょう

4.睡眠

睡眠障害は妊孕性低下を招くと言われています。

適切な睡眠時間は人によって違いますが…

 

・朝、すっきりと目覚められない

・日中に突然睡魔に襲われることが度々ある

・日中も眠くてやる気が起きない

などの場合は、睡眠時間が足りていないかもしれません。

上記以外にも陰嚢部に熱がこもると、精液所見に影響を及ぼすというデータも出ています。 熱がこもりにくい服や下着を選んだり、サウナなどはほどほどにしましょう。

 

まとめ

男性も、加齢や生活習慣、食事が妊孕性に影響を及ぼすことが、少しずつですが広く知られるようになってきました。

妊娠に関する年齢は決して女性だけの問題ではありません。

男性の年齢も影響を及ぼしてくるという事をしっかりと理解したうえで、お二人で妊活・不妊治療を進めていっていただければと思います。

睡眠の質が悪く疲れが取れない、などのお悩みがある方はお気軽にご相談お待ちしております。

 

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