ファスティングで体重が落ちても、それだけでは「痩せた」とは限りません
「短期間で体重を落としたい」
そう思ったときに、ファスティングや極端な食事制限を考える方は少なくありません。
実際、食べる量を大きく減らせば、体重計の数字は一時的に下がります。
しかし、そこで注意したいのが、体重が減った=体脂肪が減ったではないということです。
ファスティング直後に減っている体重には、脂肪だけではなく、水分、胃腸の内容物、グリコーゲンなども含まれています。
そのため、食事を元に戻すと、体重も比較的早く戻ることがあります。
なぜファスティングをすると体重がすぐ落ちるのか?
人間の体内には、食べたものだけでなく、水分やエネルギー源となるグリコーゲンなどが蓄えられています。
食事量を大きく減らすと、まず胃腸の中にある食べ物の量が減ります。
さらに、炭水化物の摂取量が減ることでグリコーゲンが使われ、それに伴って体内の水分も減りやすくなります。
つまり、ファスティング直後に1kg、2kgと体重が落ちたとしても、そのすべてが体脂肪として燃焼されたわけではありません。
ここを勘違いしてしまうと、
「食べなければ痩せる」
という考え方になりやすくなります。
しかし、ダイエットで本当に見なければいけないのは、体重だけではありません。
大切なのは体脂肪率と筋肉量です。
食べないダイエットで筋肉まで減ることがあります
極端に食事量を減らすと、体は脂肪だけを都合よく使ってくれるわけではありません。
エネルギー不足の状態が続けば、筋肉を含む除脂肪組織が減少する可能性もあります。
筋肉は、日常生活の中でもエネルギーを消費する大切な組織です。
その筋肉量が減ってしまえば、体重は軽くなったとしても、以前より引き締まりにくい体になってしまう可能性があります。
例えば、
- 体重は3kg落ちた
- でも見た目があまり変わらない
- 以前より疲れやすい
- 食事を戻したらすぐ体重が戻った
- 体脂肪率を測ったら高くなっていた
このような状態になってしまうこともあります。
体重だけを見ていると「成功した」と感じても、体の中身まで確認すると理想的な減量になっていないことがあるのです。
「食べない→食べる」を繰り返すことが問題
これはファスティングだけの話ではありません。
普段のダイエットでも、
「昨日食べすぎたから今日は食べない」
「朝と昼を抜いて夜だけ食べる」
「平日は我慢して週末にたくさん食べる」
「体重が増えたら翌日は極端に減らす」
このように、食べたり食べなかったりを繰り返している方がいます。
この方法では、体重計の数字は大きく上下しやすくなります。
しかし、安定して体脂肪を減らしていくためには、毎日の摂取量をある程度一定にしていくことが重要です。
食べなかった分を「全部吸収する」わけではありません
よく、
「食事を抜いた後は、食べたものを全部吸収してしまう」
と言われることがあります。
厳密には、食べなかった分を身体がそのまま一気に吸収するという仕組みではありません。
ただし、極端な食事制限を続けることで空腹感が強くなり、その後の食事量が増えやすくなることがあります。
また、体重が大きく減ると、身体は消費エネルギーを抑える方向へ適応することがあります。
その状態で以前と同じ食生活に戻れば、体重も戻りやすくなります。
そして、減量中に筋肉量まで減っていれば、体重が元に戻ったときに、以前より体脂肪率が高くなってしまう可能性もあります。
「体重が戻った」だけならまだ数字は同じです
例えば、60kgの方が極端な食事制限で57kgまで落ちたとします。
その後、元の食生活に戻して60kgになったとします。
数字だけを見れば、元の60kgに戻っただけです。
しかし、減量中に筋肉量が落ち、戻る過程で脂肪が増えていた場合、同じ60kgでも体の中身は違います。
体重は同じなのに、以前より体脂肪率が高い。
これが、極端な食事制限を繰り返したくない理由のひとつです。
ダイエットは「食べない日」を作ることではありません
ダイエットで大切なのは、食事をゼロにすることではありません。
必要な栄養を摂りながら、食べすぎているものを減らし、足りないものを整えることです。
特に意識したいのが、
- タンパク質
- 脂質
- 炭水化物
- 野菜や食物繊維
- 水分
です。
炭水化物を完全に抜く。
脂質を完全に抜く。
夕食を完全に抜く。
このような極端な方法ではなく、必要量を考えながら全体を整えていくことが重要です。
毎日ある程度一定に食べることが体を安定させます
ダイエットを成功させる人ほど、毎日の食事量が大きくブレません。
昨日はほとんど食べていない。
今日はたくさん食べる。
明日はまた減らす。
このような生活では、自分自身も「どれだけ食べているのか」が分からなくなります。
それよりも、
- 朝食を整える
- 昼食を整える
- 夕食を整える
- 間食の量を把握する
- 飲み物のカロリーも確認する
こうした毎日の積み重ねの方が、長期的には大きな差になります。
体重ではなく体脂肪率を見る
体重は、水を飲んだだけでも増えます。
食事をすれば、その食べ物の重量分だけ一時的に増えます。
便通や水分量によっても毎日変化します。
そのため、1日単位の体重だけを見て一喜一憂する必要はありません。
大切なのは、
数週間、数か月単位で体重と体脂肪率がどう変化しているか。
さらに、筋肉量が維持できているか。
ここまで見ることで、初めて「本当に痩せているのか」が分かります。
運動も組み合わせることが大切
食事だけを減らして体重を落とすよりも、適度な運動を組み合わせた方が筋肉を維持しやすくなります。
特に、ウォーキングだけでなく、筋肉に刺激を入れる運動も重要です。
スクワットなどの筋力トレーニングや、自分の体力に合った運動を少しずつ続けることで、体型の変化にもつながります。
体重を減らすことだけを目的にするのではなく、
「脂肪を減らしながら筋肉を守る」
という考え方が大切です。
短期間で減らすより、一生続けられる方法を
3日間食べない。
1週間だけ頑張る。
体重が増えたらまたファスティングをする。
これでは、ダイエットをしている期間と、していない期間ができてしまいます。
本来のダイエットは、一時的なイベントではありません。
生活習慣そのものを変えていくことです。
毎日食べる。
必要な栄養を摂る。
余分なものを減らす。
水分を摂る。
体を動かす。
睡眠を整える。
この当たり前のことを続けられるようになると、特別なことをしなくても体重と体脂肪率が安定しやすくなります。
まとめ
ファスティングで体重が落ちること自体は珍しいことではありません。
しかし、その減少分がすべて体脂肪とは限りません。
水分や胃腸の内容物、グリコーゲンなどが減ることで、短期間に体重が落ちている場合もあります。
そして、食事を元に戻せば体重も戻ります。
さらに、極端な食事制限によって筋肉量まで減ってしまえば、体重が戻ったときに以前より体脂肪率が高くなってしまう可能性があります。
だからこそ、ダイエットで目指したいのは、
「食べないこと」ではなく「正しく食べ続けること」です。
食べたり食べなかったりを繰り返すのではなく、毎日の食事量と栄養バランスを整える。
そして運動を取り入れながら筋肉を維持し、体脂肪を少しずつ減らしていく。
一時的に体重を落とす方法ではなく、一生続けられる習慣を身につけること。
それが、リバウンドを繰り返さないダイエットの基本です。

