AMH値が低くてもあきらめない|生活習慣から整える卵巣ケアと妊活の考え方
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、いわゆる「卵巣年齢の目安」としてよく使われる指標です。
検査でAMH値が低いと言われ、「もう妊娠は難しいのかな…」とショックを受けてしまう方も少なくありません。
しかし、AMH値は「合否判定の数字」ではありません。
この記事では、
AMHの意味と限界、そして生活習慣からできる卵巣ケアについてお伝えします。
1. AMH値が教えてくれること・教えてくれないこと
AMH値は、卵巣に残っている卵子の「数の目安」として使われます。
数が少ない=チャンスの回数が少なくなる可能性がある、という一つの目安です。
ただし、AMH値だけでは、
- 卵子の質(クオリティ)
- 子宮の状態
- 精子の状態
- 治療方法やタイミングの良し悪し
までは分かりません。
「数」と「質」は別ものであり、AMH値が低くても妊娠・出産される方はたくさんいます。
2. AMHと生活習慣の関係
AMH値そのものを劇的に上げる生活法があるわけではありませんが、卵巣やホルモン環境にとってプラスになる習慣・マイナスになる習慣は存在します。
(1)睡眠の質とホルモンバランス
ホルモンは眠っている間に分泌・調整されます。夜更かしや不規則な睡眠は、ホルモンバランスに悪影響を与えやすくなります。
- 毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる
- スマホは寝る30分前には手放す
- ぬるめのお風呂でリラックスしてから眠る
こうした工夫だけでも、少しずつ睡眠の質は変わっていきます。
(2)体重・体脂肪とホルモン
やせすぎ・太りすぎはどちらもホルモンバランスを乱しやすく、排卵障害などにつながることがあります。
急なダイエットではなく、適正体重に近づけていくことが大切です。
(3)血糖コントロールを整える食事
甘い飲み物や菓子パン、スイーツ、揚げ物中心の食事は、血糖値の乱高下や脂質の代謝異常につながります。
結果的に、ホルモンの土台となる代謝に悪影響を与える可能性があります。
- 主食+タンパク質(肉・魚・卵・大豆)+野菜を「基本セット」に
- 甘い飲み物は「毎日」から「たまにの楽しみ」に
- お菓子は「だらだら食べ」ではなく「時間と量を決めて」
(4)喫煙・アルコールと卵巣への影響
喫煙は卵巣機能を低下させる要因として知られています。
また、アルコールの飲みすぎもホルモンバランスや肝臓の負担につながります。
- タバコは禁煙を目標に(パートナーの喫煙も含めて見直しを)
- お酒は「毎日」から「週に数回・少量」に
3. ストレスと自律神経もAMHケアの大事なポイント
妊活中は、検査結果や治療の選択に追われ、ストレスが溜まりやすくなります。
ストレスは、自律神経を乱し、ホルモン分泌の司令塔である「脳〜卵巣」の連携にも影響を与えると考えられています。
- 「妊活のことを考えない時間」をあえて作る
- 好きな本や音楽、趣味の時間を大切にする
- 深呼吸やストレッチ、鍼灸などでリラックスする
心がほんの少し軽くなるだけでも、体のこわばりがゆるみ、呼吸が深くなります。
これも立派な「妊活の一部」です。
4. AMH値に振り回されないために大切なこと
AMH値は、治療方針を考える上で大切な情報の一つです。
しかし、
- その数字だけで「未来」を決めつけないこと
- 「今の自分にできること」に目を向けること
がとても大切です。
睡眠・食事・体重・ストレスケア・冷え対策など、生活習慣から整えることで、妊娠に向かう「土台」を良くしていくことは可能です。
まとめ:AMH値は「スタート地点」を知るための情報のひとつ
AMH値は、あなたの価値を決める数字ではありません。
今の卵巣の状態を知り、「これからどう動くか」を考えるためのスタート地点の情報です。
生活習慣から体を整えたい、鍼灸などを取り入れて妊活の土台を作りたいという方は、一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。
あなたの状況や検査結果に合わせて、一緒に進め方を考えていきましょう。


