40代からのアンチエイジング完全ガイド|糖化・酸化・オートファジーで老化対策
アンチエイジング(anti-aging)とは
アンチエイジング(anti-aging)とは、「抗加齢」を意味する言葉です。
ここで大切なのは、加齢と老化は違うということです。
同じ歳でも、老化が進んでいる人は見た目が老けて見えたり、すでに生活習慣病などの病気に罹っていることもあります。
しかし、時間そのものに逆らうことは誰にもできません。ですので、現実的に目指すべきは「抗加齢」ではなく、老化のスピードをゆるめる『抗老化』です。
若々しい心と身体を保ち続けるために、日々の生活の中で老化を防ぎ、若さを保つ方法をお伝えしていきます。
老化は「糖化」と「酸化」で進む
老化は、遺伝や年齢によって決まる部分もありますが、実は生活スタイル(食事・睡眠・運動・ストレス)による影響がとても大きいといわれています。
老化を進める大きな要因は、次の2つです。
- 糖化(たんぱく質の焦げつき)
- 酸化(体のサビつき)
糖化とは
血液中の余分な糖と、体内のタンパク質が結合して「AGEs(終末糖化産物)」という物質がつくられます。
このAGEsが体内に蓄積すると、肌や血管、骨などが硬くもろくなり、老化が一気に進んでしまいます。
一度体内でAGEsが作られると代謝されにくいため、毎日甘いものや血糖値を上げる食事を続けていると、どんどん老化が加速してしまいます。
酸化とは
私たちの細胞は、酸素を利用してエネルギーを作り出しています。その過程で同時に「活性酸素」という物質が体内で発生します。
活性酸素は一定量なら正常な働きに必要ですが、増えすぎると細胞を傷つけ、シミ・シワ・動脈硬化・骨粗鬆症・脳の老化などの原因になります。これがいわゆる「酸化=体のサビ」です。
注意すべき食べ物5つ(糖化を進めやすい食品)
AGEsを増やしてしまう代表的な食品を、5つにまとめました。
1.加工肉(ハム・ベーコンなど)
肉製品や脂肪の多い食品を高温で焼くと、AGEsが多く生成されます。
- 生の豚肉:1,188 kU / 100g
- 5分炒めたベーコン:91,557 kU / 100g
なんと、約90倍もAGEsが増えてしまいます。
2.揚げ物
高温の油で揚げる調理法も、AGEsを増やします。
- 茹でた鶏肉:1,123 kU / 100g
- 揚げた鶏肉:9,961 kU / 100g
揚げるだけで、AGEsの量が大きく増えてしまいます。
3.ファーストフード(ハンバーガー・ピザなど)
- ハンバーガー:7,801 kU / 100g
- ピザ:6,825 kU / 100g
高脂肪・高糖質・高温調理が重なることで、AGEsが多くなりやすい食品です。
4.清涼飲料水
甘いジュースには果糖ブドウ糖液糖が使われていることが多く、これはブドウ糖に比べて10倍もAGEsを形成しやすいといわれています。
果物そのものは、食物繊維も含まれるため血糖値の上昇がゆるやかで安心ですが、市販のフルーツジュースやスムージーには注意が必要です。
5.お菓子
アイスクリーム、チョコレート、ケーキなどは、血糖値を急激に上げやすく、糖化が進みやすい食品です。
「ちょっとだけ」のつもりが、毎日の習慣になっていないか見直してみましょう。
オートファジーで細胞から若返る
老化対策として世界的に注目されているのが、オートファジーという仕組みです。
2016年、大隅良典先生がオートファジーの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。パーキンソン病などの神経変性疾患との関係も指摘され、今も世界中で研究が続けられています。
オートファジーとは
オートファジーは、Auto(自ら)+Phagy(食べる)から名付けられました。
壊れたタンパク質や細胞のゴミを、自分で分解・再利用する、いわば「体内のお掃除システム」です。
人間が生きるうえで一番大事なことの一つは、新しいタンパク質を作り続けることです。
爪や髪の毛、肌や筋肉などは、常に新しいタンパク質に入れ替わり続けています。
- 1日に必要なタンパク質量:およそ200g
- 食事から摂れるタンパク質量:およそ70g
足りない分は、体内でタンパク質が再合成・リサイクルされています。
このタンパク質のリサイクルこそがオートファジーなのです。
オートファジーとミトコンドリア
細胞の中には、エネルギーを作り出す「ミトコンドリア」があります。
古くなったミトコンドリアはエネルギーの生産効率が下がり、
- 疲れやすい
- スタミナ切れを感じやすい
といった状態を招きます。
たとえるなら、老朽化した工場で生産効率が落ち、排ガス(活性酸素)が増えてしまっている状態です。
古いミトコンドリアは活性酸素をばらまき、病気や老化の原因となります。
- 肌:シミ・シワ・たるみ
- 血管:動脈硬化
- 骨:骨粗鬆症
- 脳:全身の老化を加速
オートファジーがしっかり働くと、壊れたものが分解され、新しいミトコンドリアやタンパク質が作られることで、細胞の中がきれいに掃除されていきます。
オートファジーを活性化するには
オートファジーは空腹時に活性化し、食事をすると一旦止まります。
そのため、適切なファスティング(断食)や食間の時間をしっかりあけることで、オートファジーを活性化しやすくなります。
酸化を止める「最強のアンチエイジングドリンク」緑茶
老化の原因である「酸化」を抑え、オートファジーもサポートしてくれる、最強のアンチエイジングドリンクの1つが緑茶です。
緑茶のアンチエイジング効果
- コラーゲンを分解する酵素の働きを弱め、コラーゲンを増やしてくれる
- 活性酸素を除去してくれる(強い抗酸化作用)
- カテキンがオートファジーを活性化させるといわれている
緑茶をとるときの注意点
- カテキンは鉄と結合して吸収を妨げるため、飲み過ぎには注意する
- ティーバッグタイプは、マイクロプラスチックが含まれていることがあるのでできるだけ避ける
- 農薬の心配が少ない、無農薬・無化学肥料の自然栽培茶を選ぶのがおすすめ
まとめ|「食べ方」と「細胞のお掃除」がアンチエイジングの鍵
アンチエイジングは、単に若く見せることではなく、老化をゆるやかにして健康寿命を伸ばすことです。
- 糖化と酸化を進める食べ物を摂りすぎない
- ファスティングや食事の間隔を工夫してオートファジーを活性化する
- 緑茶などの抗酸化ドリンクを上手に取り入れる
今日からできる小さな習慣の積み重ねが、5年後・10年後の見た目と健康状態の大きな差につながります。
できるところから一つずつ、アンチエイジング生活を始めてみてください。

