お盆・年末年始・ゴールデンウィークなどの休み明けは「ぎっくり腰」で来院される方がぐっと増えます。
なぜ休み明けに集中するのか――理由と今すぐできる対策を、鍼灸整体の視点でわかりやすく解説します。
休み明けにぎっくり腰が増える4つの理由
1.生活リズムの乱れで自律神経がアンバランス
夜更かし・朝寝坊・食事時間の不規則化で自律神経が乱れると、筋肉はこわばりやすく、血流も低下。
硬くなった腰背部の筋が、ちょっとした前屈やくしゃみをきっかけに急性腰痛(ぎっくり腰)を招きます。
2.運動不足と長時間の座り姿勢
休暇中の車移動・動画・ゲーム・ソファでのごろ寝――いずれも股関節~腰の可動域を狭め、体幹筋の反応性を落とします。
休み明けにいきなり仕事モードで動くと、鈍った筋に急負荷がかかって発症しやすくなります。
3.“いきなり再開”の肉体的・心理的ストレス
休みの後は、片付け・荷ほどき・溜まった業務など「急にやること」が増加。
心身の緊張が高まると筋のガード(防御性収縮)が強まり、ちょっとした動き出しで痛めやすくなります。
4.冷え(エアコン・季節要因)で血流低下
夏はエアコンで腰~腹部が冷え、冬は外気で筋温が下がります。
冷え=血流低下=硬さの連鎖が起こり、発症の地ならしが整ってしまいます。
発症リスクを見分けるセルフチェック(3つ以上なら要注意)
- 休み中は1日合計の座位が7時間以上だった
- 就寝・起床時刻が普段より2時間以上ズレた
- 運動(徒歩含む)が1日30分未満の日が続いた
- 腰~お腹がひんやりする/冷房直撃の席が多かった
- 休み明けに重い荷物を持つ予定がある/もう持った
休み明けの予防ルーティン(合計3分)
- モーニング“背骨ほぐし”(60秒)
仰向けで膝を立て左右にパタン×10回 → 四つ這いで猫背/反り×10回 - 股関節スイング(60秒)
立位で骨盤を小さく前後・左右に揺らす。腰ではなく股関節を動かす意識で - ハムスト&殿筋ほぐし(60秒)
イスに浅く座り、片脚を前に伸ばして軽く前屈×左右各30秒
+ 長時間同一姿勢を避ける(デスクワークは60~90分に1回立つ)、腹腰を冷やさない(薄手の腹巻き・ブランケット)。
もし「ピキッ」と来たら:初期対処のコツ
- 最初の48時間は炎症期。無理に伸ばさず、痛みの少ない楽な姿勢を確保(横向きで膝を軽く抱える等)。
- 動ける範囲で小刻みな歩行を少しずつ。完全安静はこわばりを助長。
- 冷却はピンポイントで短時間(10~15分)。冷やしすぎはNG。
- コルセットは短期的な“保護具”として活用。外せるときは外し、依存を避ける。
- 痛み止めは胃腸や既往歴を考慮。自己判断が不安なら専門家へ。
受診の目安
- 下肢のしびれ・筋力低下、排尿排便障害がある
- 痛みが日ごとに悪化する/発熱を伴う
- 強い外傷・転倒を伴った
これらは医療機関の受診を優先してください。
当院の鍼灸整体:回復と再発予防を同時に
- 痛みの急所を狙う手技+鍼で筋スパズムの解除
- 体幹・股関節の連動を取り戻す運動アドバイス
- デスクワーク・育児・肉体労働など生活シーン別の再発予防
初回目安:症状評価→鎮痛施術→自宅ケア指導(約40〜60分)
目標:「動ける」までを最短で、その後は再発しにくい身体づくりへ。
よくある質問
- Q. ぎっくり腰は温める?冷やす?
- 発症直後〜48時間は炎症期のため、まずは短時間の冷却を。痛みが落ち着いてきたら温め→循環促進に切り替えます。
- Q. 鍼灸はいつから受けられますか?
- 発症直後でも可能です。痛みの強さに合わせ、刺激量を調整し鎮痛・筋緊張の緩和を図ります。
- Q. コルセットはつけっぱなしでいい?
- 通勤・家事など負荷の高い場面に限定して使用し、安静時は外すのが基本です。長期常用は筋力低下を招く恐れがあります。
まとめ
休み明けは「リズムの乱れ×運動不足×急な負荷×冷え」が重なり、ぎっくり腰の土壌が整います。
3分ルーティン+同一姿勢の回避+保温で予防を。違和感のうちに早めのケアを受け、“動ける毎日”を取り戻しましょう。