サラダ油は妊活に悪い?オメガ3・6・9と「表示されない油」の落とし穴
そして“足す前に、入れない”。
子宮や卵子に栄養が必要だと分かっているのに、忙しさで食事が簡単になり、偏りが続く…。
そんなとき、サプリ探しより先に見直したいのが毎日使う油です。
油は「栄養」ではなく、体の構造そのものになる
油(脂質)はエネルギー源であるだけでなく、細胞膜やホルモン材料など、
体の“パーツ”として使われます。
だから、油の質が乱れると、体の土台(細胞膜の状態)にも影響しやすくなります。
細胞膜は「通す・通さない」を決めるフィルター
細胞膜は、栄養を取り込み、老廃物を外に出すためのフィルターの役割を担います。
油の質が偏ると、この“膜の性質”が偏り、必要なものが入りにくい/不要な負担が増えやすい方向に傾くことがあります。
オメガ3・6・9とは?妊活の油は「バランス」で考える
脂質の中でも、体の材料になりやすいのが不飽和脂肪酸。代表がオメガ3・オメガ6・オメガ9です。
妊活中は「ゼロか100か」ではなく、摂りすぎを減らし、不足を補うのが現実的です。
オメガ3(不足しやすい:意識して摂りたい)
- 青魚(EPA・DHA)/えごま油・亜麻仁油(ALA)
- ポイント:現代人は不足しやすく、“足す価値が高い”
- 注意:えごま油・亜麻仁油は熱に弱いので「かけるだけ」
オメガ6(摂りすぎやすい:妊活では“減らす”が先)
- 代表:リノール酸(サラダ油・大豆油・コーン油・綿実油・ひまわり油などに多い)
- ポイント:外食・惣菜・加工食品で勝手に増える
- 妊活の考え方:まずは摂りすぎを減らすのが最優先
オメガ9(比較的扱いやすい:ベース油に向く)
- 代表:オレイン酸(オリーブオイル、アボカドオイルなど)
- ポイント:日常の調理でベースにしやすい
実は「サラダ油」は日本独自の呼び名
「サラダ油」という名称は日本で定着した呼び方で、
サラダ(冷たい料理)にも適している油という意味合いから来ています。
クセが少なく、扱いやすいのが特徴ですが、“毎日当たり前に使う油”としては妊活中に見直したいポイントがあります。
サラダ油の原料は?(遺伝子組み換え作物の可能性がある原料が含まれやすい)
サラダ油は商品によって原料が異なり、単一原料のものもあれば、複数の植物油をブレンドしたものもあります。
原料として使われやすい例は以下です。
- 大豆
- 菜種(キャノーラ)
- とうもろこし
- 綿実
- ひまわり
- ピーナッツ(商品による)
※どの原料が使われているかは製品ごとに違います。購入時は「原材料名」を確認してください。
重要:実は「油」は遺伝子組み換え表示が分かりにくい
日本では、遺伝子組み換え表示は一定のルールに基づいて行われますが、
食用油のように高度に精製され、最終製品からDNAやたんぱく質が検出できないタイプは、
表示の対象外となる扱いになるケースがあります。
そのため、原料に遺伝子組み換え作物が含まれる可能性があるかどうかを、
店頭の表示だけで判断しにくいことがあります。
妊活中にサラダ油を「控えたい」理由
理由1:オメガ6が積み上がりやすい
外食・惣菜・加工食品でオメガ6は増えやすい環境です。
家でもサラダ油(精製植物油)を常用すると、気づかないうちにオメガ6過多になりやすくなります。
理由2:酸化しやすい環境と相性が悪い
油は熱・光・空気で酸化が進みやすくなります。
妊活中は「酸化ストレス」を増やし続ける生活を減らしたいので、
揚げ物・高温調理・時間が経った油は頻度を落とすのがおすすめです。
理由3:油の“質の管理”が難しい(特に外食と重なる)
外食や惣菜で使われる油は自分で選べません。
だからこそ、家の油は自分で管理できるものにしておくと、リセットが効きます。
代用はこれ:オリーブオイル・アボカドオイル
妊活中の油選びは複雑にしない方が続きます。
まずは「家の油」を置き換えるだけでOKです。
オリーブオイル(ベース〜仕上げ)
- 日常使いしやすく、仕上げにも使える
- “家の標準油”を変える第一歩に向く
アボカドオイル(加熱調理の置き換えに強い)
- 炒め物・焼き物などの加熱調理に使いやすい
- サラダ油の代用としてシンプルに移行しやすい
※油は「良い油なら多く摂ってOK」ではありません。量を増やすより、質を上げて、頻度を整えるが基本です。
忙しい人向け:サラダ油を“ゼロ”にしなくていい。順番はこれ
- 揚げ物の頻度を下げる(週2→週1、週1→隔週)
- 炒め油を置き換える(オリーブ or アボカド)
- オメガ3を“仕上げに足す”(えごま油/亜麻仁油を小さじ1)
- サラダ油は非常用(どうしてもの時だけ)
妊活は根性ではなく設計。
“毎日入るもの”を変えると、体の流れは変わり始めます。
まとめ:妊活は「足す前に、入れない」+「油のバランス」
サラダ油は便利ですが、妊活中は常用から外すのがおすすめです。
まずはオメガ6過多になりやすい環境(外食・惣菜・加工食品・サラダ油常用)を見直し、
オリーブオイル/アボカドオイルをベースにして、オメガ3を無理なく足す。
この順番が、続けやすくて失敗しにくい方法です。
