ERA(エラ)検査|着床の窓を評価してpET(個別化胚移植)へ
ERA(Endometrial Receptivity Analysis:子宮内膜着床能検査)は、子宮内膜が胚の移植に最適なタイミング(着床の窓)かどうかを
遺伝子発現パターンで評価する検査です。結果に基づき、pET(個別化胚移植)の時期を調整して移植の成功率向上を目指します。
ERA検査とは
子宮内膜からごく少量の組織を採取し、数百種の遺伝子発現を総合的に解析して、
現在の内膜が「受容期(Receptive)」かどうかを判定します。
卵の質や受精胚の染色体とは別軸の、「子宮側の準備状態」に焦点を当てた検査です。
何のために行う?(目的)
- 着床の窓(Window of Implantation)の個人差を把握
- 判定結果に合わせて胚移植の実施タイミング(pET)を最適化
- 反復着床不全の要因探索の一助に
ポイント:ERAは「いつ移植するか」を調整する検査であり、胚そのものの質を改善する検査ではありません。
どんな人に向いている?(適応)
- 良好胚(例:胚盤胞など)を複数回移植しても着床に至らない方
- ホルモン補充周期での移植タイミングにズレが疑われる方
- 着床不全の精査を段階的に進めたい方
※適応や実施可否は施設の方針・患者様の状況により異なります。主治医とご相談ください。
検査の流れとタイミング
1)周期の決め方
- ホルモン補充周期(HRT):エストロゲンで内膜を育て、プロゲステロン開始から数日後に採取
- 自然(準自然)周期:排卵日(LHサージ)から数日後に採取
※一般に「胚盤胞移植の標準タイミング」に合わせて採取日を設定しますが、具体的な日数は施設のプロトコルで異なります。
2)検体採取(内膜生検)
- 外来で数分程度。軽い下腹部痛・出血が出ることがあります。
- 当日は激しい運動・入浴・性行為などを制限される場合があります。
3)解析・結果
解析完了後、結果に基づいて次周期以降の胚移植日を調整します。
結果の見方とpET(個別化胚移植)
- Receptive(受容期):標準のタイミングで移植
- Pre-receptive(早い)/ Post-receptive(遅い):プロゲステロン投与日数や移植日を前後に微調整
この調整移植がpET(個別化胚移植)です。
例)「Pre-receptive」の結果なら、内膜が受容期に入るまでプロゲステロンの曝露時間を延長してから移植する…など。
メリット・注意点
メリット
- 着床の窓の個体差を可視化し、移植日を最適化できる
- 反復着床不全の原因探索の一要素になる
注意点
- 胚の質(染色体異数性など)や子宮形態異常は別要因
- 内膜生検に伴う痛み・少量出血、費用負担
- 研究報告は賛否が混在しており、全員に有効とは限らない
※保険適用・費用・採取日程・判定基準は施設により異なります。
よくある質問
- Q. いつ受けるのが良いですか?
- 主治医が決めた条件(HRTのプロゲステロン開始から◯日、または自然周期の排卵から◯日)で「移植を想定した周期」に合わせて行います。
- Q. 痛みはありますか?
- 個人差はありますが、生理痛程度の下腹部痛や少量の出血が一時的にみられることがあります。
- Q. ERAで妊娠率は上がりますか?
- 一部で改善が報告される一方、全体として明確な上乗せが示されない研究もあります。適応を見極めて活用することが大切です。
- Q. ほかに調べることは?
- 子宮内環境(慢性子宮内膜炎、腟内・子宮内フローラ)、子宮形態、卵管水腫、胚の染色体異数性(PGT-A など)など、複数要因の総合評価が推奨されます。
当院のサポート(体調づくり)
着床は胚の質 × 子宮内環境 × 全身状態の掛け算です。
当院では、鍼灸・整体・温活(よもぎ蒸し)・睡眠/栄養/運動の生活サポートで、
血流・自律神経・体温リズムを整え、移植周期に向けたコンディションづくりをお手伝いします。
- 寝つき・起床リズムの是正、就寝前ルーティン設計
- 血糖スパイク・超加工食品を避ける食事アドバイス
- 低強度〜中強度の有酸素+レジスタンス運動プラン
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さがみ鍼灸整骨院|町田
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