妊活が上手くいかないスランプ状態ならMVA(ミニマムバイアブルアクション)を意識する
「検査も治療もがんばっているのに結果が出ない…」「もう何をしていいのか分からない」「やる気が出ない」——。
妊活を続けていると、多くの方が一度はスランプを経験します。
そんなときに意識したいのが、MVA(Minimum Viable Action:ミニマム・バイアブル・アクション)です。
これは「成果につながる、いちばん小さな行動」のこと。
大きな目標ではなく、今日できる“ほんの一歩”にフォーカスする考え方です。
このMVAを意識することで、止まっていた「行動回路」をやさしく再起動させることができます。
妊活がスランプに陥るのは「頑張りすぎ」のサイン
妊活のスランプには、いくつか共通する特徴があります。
- 結果が出ない焦りで、情報を探しすぎて疲れてしまう
- 「これもやらなきゃ」とやることが増えすぎてパンクする
- 一度お休みしたら、そのまま何もできなくなってしまった
- 「またダメだったらどうしよう」と、不安が先に立つ
これらはすべて、真面目にがんばってきた証拠でもあります。
ただ、そのがんばりが積み重なりすぎると、心も体も一度ブレーキを踏みたくなります。
スランプは「もうダメ」というサインではなく、“やり方を変えるタイミング”だと考えてみましょう。
MVA(ミニマムバイアブルアクション)とは?
MVAは直訳すると「最小限で成立する行動」。
つまり、
「これだけはやれば、未来の自分のプラスになる小さな一歩」
のことです。
例えば、
- 完璧な食事療法 → 「まずは夜だけ白砂糖を控える」
- 1時間の運動 → 「寝る前に3分だけストレッチ」
- 生活リズムの総見直し → 「まずは就寝時間を毎日○時に揃える」
このように、ハードルを「これなら今の自分でもできる」レベルまで下げてあげることがポイントです。
妊活における具体的なMVAの例
ここからは、妊活中の方が取り入れやすいMVAの具体例をご紹介します。
① 生活リズムを整えるためのMVA
- まずは「就寝時間だけ」を毎日同じ時間にする
- 朝起きたら、カーテンを開けて3分だけ日光を浴びる
- 寝る前のスマホ時間を10分だけ短くする
体内時計が整うとホルモンバランスにも良い影響があります。
最初から完璧を目指さず、「1つだけ」決めるのがコツです。
② 冷え対策のMVA
- 夜だけでも湯船に10分つかる
- 寝る前に「足首〜ふくらはぎ」を手でさする
- 職場ではひざ掛け or レッグウォーマーをつける
「毎日よもぎ蒸し」「毎日半身浴」といった完璧な目標よりも、
「今日は足首を温めるだけでもOK」と決めた方が続きやすくなります。
③ 食事を整えるためのMVA
- 毎食すべてを変えようとせず、「1日1回だけ温かい汁物を足す」
- 菓子パンを毎日→「週のうち2日だけおにぎりに変えてみる」
- コンビニに行ったら、必ず「水」か「お茶」を1本買う
妊活中の食事は、完璧主義になるほど苦しくなります。
“少し良くなる選択”を1つだけ足すイメージで十分です。
④ 心を整えるためのMVA
- 寝る前に「今日できたことを1つだけ」ノートに書く
- 不安になったら、まずは3回ゆっくり深呼吸する
- 「できなかったこと」ではなく「できたこと」に目を向ける時間を1分つくる
妊活中はどうしても「結果」に意識が向きがちですが、
今日できた小さな行動を認めることが、明日の行動へのエネルギーになります。
止まっていた「行動回路」を再起動させる3ステップ
スランプから抜け出すためには、
- やることを一度“全部”書き出す
- それを細かく分解して、いちばん小さな1歩にする
- 今日やるMVAを1つだけ決めて、時間も一緒に決める
STEP1:頭の中の「やらなきゃ」を全部書き出す
「サプリ」「運動」「病院」「睡眠」「食事」「冷え対策」…
頭の中にある“やらなきゃリスト”を紙に全部出してみましょう。
書き出すだけでも、心が少し軽くなります。
STEP2:それをMVAレベルに細かくする
例えば「運動」と書いてあったら、
- 寝る前にストレッチ3分
- エレベーターではなく階段を1回だけ使う
というように、「これなら疲れていてもできる」というレベルまで分解します。
STEP3:今日やるMVAを「1つだけ」+「時間もセット」で決める
最後に、
「今日は寝る前22時に、ストレッチを3分だけやる」
のように、行動+時間でセットにして決めます。
これが、止まっていた行動回路を再起動させるスイッチになります。
MVAを続けるための3つのコツ
① 「これだけでいいの?」と思うくらい小さくする
MVAは「物足りない」くらいでちょうどいいです。
人は「ハードルが低いほど」行動を続けやすくなります。
② できたら必ず「自分をほめる」
・カレンダーにチェックをつける
・アプリに「今日もできた!」と記録する
・ノートに○をつける
など、「できた証拠」を残してあげると、自己肯定感が少しずつ回復していきます。
③ できなかった日があってもリセットしない
1日できなかったとしても、
「今日からまた、たった1つのMVAに戻ればいい」
それだけです。
妊活はマラソンのようなもの。
大事なのは「止まらないこと」ではなく、「何度でも立て直せること」です。
まとめ:スランプのときこそ、MVAで自分を立て直す
妊活が上手くいかないと感じているとき、
私たちはつい「大きな変化」や「劇的な方法」を探しがちです。
ですが、本当に大きな成果につながるのは、
今日の小さな行動=MVAの積み重ね
です。
- まずは就寝時間をそろえる
- 足首を温める
- 温かい汁物を1杯足す
- 今日できたことを1つノートに書く
どれも「これだけで妊娠できるわけじゃない」と思うかもしれません。
ですが、こうした小さな一歩が、ホルモンバランス・血流・メンタルをじわじわと整え、
「授かる力」の土台をつくっていきます。
スランプで止まってしまったと感じている方こそ、
まずはたった1つのMVAから、行動回路をゆっくり再起動していきましょう。


